オルガン wikipedia|無料辞書
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|画像の説明 = パイプオルガンの一例
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オルガン (organ) は、1つもしくは複数の区画からなる
鍵盤楽器である。それぞれを手鍵盤または足鍵盤を用いて演奏する。
◆ 概要
オルガンは、一般的な演奏形態上の分類では鍵盤楽器の一種であるものの、発音原理上においては
気鳴楽器であり、その他の鍵盤をもつ楽器である
チェンバロや
ピアノ(
弦鳴楽器)とは原理的に異なる。多数のパイプを発音体として備えるが、1本のパイプに異なる音高を発生させることはなく、各パイプの音高は固定的であり、鍵盤を押すことで異なるパイプに空気を流して奏する。
各パイプの音高は固定的であるので、それぞれのオルガンが演奏可能な音域にあわせてパイプの数も同じく増減する。また音色の違うパイプ群を複数持っていることが多く、それらは管の素材の違い(金管や木管など)、管の末端処理および形状の違い(開管、閉塞管など)、発声原理の違い(フルー管やリード管など)によってそれぞれ得ている。大規模なオルガンが膨大な数(数千〜1万以上)のパイプを持っているのはこのためである。
鍵盤と管が一対一で対応することはごく小規模のオルガンを除きまれで、通常は
ストップと呼ばれる機構を駆使することによって、同時に複数の管を一つの鍵盤に割り当てている。ストップによる音色の組み合わせ、倍音(和音)の組み合わせはまさに自由自在である。このことが演奏者や作曲者の悩みどころでもあり見せ場ともなることがこの楽器の大きな魅力の一つである。こうした特質は、後に誕生した電子オルガンにも引き継がれている。
パイプオルガンは、パイプに機械的な仕組で一定の空気を流して発音するために、ソロの管楽器などに比べて強弱や音色の変化を微細に行うことはできないという弱みを持つ。そのため、例えば
ストラヴィンスキーには「息のしない巨大な怪獣」と酷評され、オルガンのための作品を全く書こうとしなかったことが知られている。
しかし、オルガンは、例えばソロのフルートで表現できるような細やかな綾は生み出せない代わりに、オーケストラにも叶わない音色の豊富さと音域の広大さ、音の立体的な対比効果、多数の声部などを表現することができ、これがオルガンならではの魅力となっている。また強弱表現は、鍵盤同士のコンビネーションの違いや鍵盤ごとの各所属パイプ群同士の音位相の違い、また演奏中のコンビネーションの変更、また後にはを用いるようになった他に、奏者のタッチによって、記譜上の音価のうち何割の長さ分鍵盤を押すかを変化させることによって、微細な強弱効果を擬似的にもたらすという表現法が採用されており、このような方法でオルガンの表現力における弱点も補われてきた。
楽器ごとに音域や音色などが一つとして同じではないところがオルガンの難しいところであるが、それゆえにオルガン愛好家たちにとって、様々な様式のオルガンと出会うことはそのひとつひとつが新しい美学との出会いとなる。世界のオルガンの特徴を研究することは20世紀頃から盛んに行われるようになり、多数の研究書や書籍が出回っている。
オルガンは西洋
音楽史上、初の鍵盤を持った
楽器となった。またオルガンほど、その規模や形の異なるバリエーションをもった楽器は他になく、国や時代によっても多様性が見られる。
キリスト教会の中で、最も重要な楽器として長く使用されて来たことから、「楽器の女王」と呼ばれている。
W. A. モーツァルトは書簡 (1777.10.17) に、「オルガンは確かに、僕の目と耳には、あらゆる楽器の王様です」と書き残した。英語圏では、オルガンは「楽器の王 (King of Instruments)」と一般に言われる。
◆ 日本語の「オルガン」
日本では、単純に「オルガン」というと、特にクラシック音楽に親しんでいる人々は別として、一般には義務教育などで目に触れる機会の多い
リードオルガンのことを意味し、歴史的に接点の少ないパイプによるオルガンのことは、あえて区別して「
パイプオルガン」と呼ぶことが多い。
一方、西欧の言語では、例えば英: organ, 独: Orgel, 仏: orgue, 伊: organo, 西: ?rganoとだけ言った場合には、一般にパイプによるオルガンを指す。日本において単に「オルガン」というと「リードオルガン」を示すのとは逆に、これらの国においては、たとえば英: reed organとあえて呼ばないと、日本においての一般的な「オルガン」のことを意味しないので、注意が必要である。
◆ オルガンの歴史
ギリシャ語 "οργανον"(オルガノン)とは、道具・器官のことを意味し、演奏するための組織的道具という意味で、楽器についてもこの言葉が適用されるようになった。後にこの言葉が、各言語におけるオルガンという単語になっていった。宗教色を得るようになったのはその途中からであり、当初は一般的な楽器のひとつでしかなかった。
◇ オルガンの起源
オルガンの起源は非常に古く、紀元前数世紀からオルガンの原形にあたる楽器の存在が認められる。これらは、「
パンの笛」や「
シリンクス」などのように、複数の笛を束ねて吹くもので、中国や日本などの「笙」も同族の楽器と見なされる。
◇ 水オルガン
紀元前264年に
アレキサンドリアに住む
クテシビオスが、水力によって空気を送り込み、手で弁を開閉させることによって音を出す楽器「
水オルガン」(ヒュドラリウス (Hydraulis))を製作したことが記録に残っている。これは、
剣闘士の試合などの野外イベントの際に演奏されたことが判っている。水オルガンはアラビアに伝播し、改良が重ねられていった。
◇ ふいごによるオルガン
紀元前1世紀はじめ、水オルガンとは仕組みの異なる
ふいごによるオルガンが出現していることが確認されている。ふいごを用いる改良は、オルガンにとって大きな進化となった。音が途切れないためには複数のふいごを設置することでそれを防いでいる。
ふいごはの大きさや数は楽器の大きさなどと関係してさまざまであり、その操作方法も手で扱うものも、足で扱うものもある。ふいご式のオルガンは風圧が不足すると充分な発音が得られない。特に、後世の大型のオルガンでは高い風圧が必要とされ、ふいごを扱うことは重労働となり、専門のふいご師(カルカント)を必要とした。このような大掛かりな楽器では、人夫に日当もかかるため、オルガニストは演奏本番のみしかオルガンの音を実際に出して演奏することはできなかったとされている。人夫を使っていた時代には、日当の値切り交渉がたたって、疲労したふいご師が演奏中に仕事を放棄してしまったという珍事件さえ記録に残っている。機械を用いた効率化も試みられ、19世紀後半からは蒸気機関などを用いた楽器も出現した。20世紀に入る頃から電力が登場し、現在では多くが電力によっており、容易に非常に大きな風圧も得られるようになった。
◇ 宗教との関わり
9世紀に、修道院においてオルガン製作が始まるようになった。当時はまだ礼拝など宗教活動には使用されず音楽教育を目的とされていたが、徐々に広く製作が進められていった。
10世紀はじめになると修道士たちによってオルガンが礼拝に使用されるようになっていき、13世紀には教会の楽器として確立されるまでに定着した。
◇ オルガンの普及
中世から
バロックのヨーロッパでは、教会オルガンとは別に、主として舞踏の伴奏に使われる「世俗オルガン」も存在した。ただし、世俗オルガンは概して教会オルガンよりは小規模で、持ち運べる
ポルタティフ(オルガネット)()、テーブル・
ポジティフ、足つきポジティフなど()、小型のものも徐々に進化していき、上流階級の生活を中心に広く浸透していった。
画像:Portativ_M.jpg|ポルタティフ、ドイツ、1979年製
・オルガン page1
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