政暦とは、今日の
ユダヤ教で用いられている暦のことであり、
教暦とは古代の農耕暦のことである。月名が2つ存在するのは、
バビロン捕囚の前(
列王記より前の書)と後(
エズラ記より後の書)では用いた暦が異なるためである。ただし、
エステル記ではテベトを「第十の月」、シワンを「第三の月」と呼んでいるため、教暦から政暦への移行はもっと後の時代のことであることが分かる。また、第13月(
閏月)の挿入は19年に7回の頻度(
メトン周期)で行われている。
ニサンの月は、教暦ではアビブと呼ばれる年始めの月で、今の太陽暦(グレゴリオ暦)では3月から4月の時期であり、東洋の陰暦では仲春(
如月)または季春(
弥生)にあたる。政暦では秋から新年が始まるので7番目(閏年では8番目)になり、バビロン捕囚後(エステル記3章7節)はバビロニアの言葉ニサンヌに倣ってニサンと呼ばれるようになった。大麦の収穫の始まりを祝う月でもある。
バビロニア暦の新年は
春分を基準として決まり、春分に最も近い
朔日(新月の日)が元日である。なお、この結果、春分から最初に迎える
望月(満月)がニサンの望月となる。