田瀬ダムが建設された
猿ヶ石川は岩手県内における北上川水系の中でも大きな
支流である。
早池峰山の南方に隣接する薬師岳を源に発し、南へ流路を取り
遠野市を流れ来内川を併せる。その後は概ね西に流路を変え、田瀬ダムを通過した後
国道283号(釜石街道)に沿って流れ、花巻市内で北上川に合流する。流路延長88.0キロメートル、
流域面積は958.1平方キロメートルである。ダムは猿ヶ石川の中流部に建設された。
1941年(昭和16年)、内務省は北上川水系、
名取川水系、
琵琶湖を含む
淀川水系、
由良川水系の四水系において国直轄としての河水統制計画を立案した。背景には従来の
堤防整備だけでは河川改修に限度を生じていたことに加え、
満州事変以降戦時体制に突き進む日本の国力増強(軍需産業の育成)といった面があった。これに伴い北上川水系では同年「
北上川上流改修計画」を策定し、その中で北上川本流および主要な支流四河川(上流から
雫石川・猿ヶ石川・和賀川・胆沢川)に
洪水調節用のダム建設を計画した。これがいわゆる「
北上川五大ダム」の原型であるが、まず手始めに猿ヶ石川に高さ76.5メートルのダム建設が着手された。