日本茜のオレンジ色の根には、鮮やかな
緋色を出す赤色色素パープリンのほかにも何種類もの化学物質が含まれている。これらの化学物質から色素を抽出するのはかなり手間がかかるため、緋色の染色法は江戸時代初期に一度途絶え、茜の色といえば暗い赤色になった。その上日本茜の根は細く、必要量を得るのに苦労するため、
草木染などを専門とする人でも中国で薬用に栽培されている生薬の茜根を輸入して使うことが多い。アカネの薬用効果は止血や通経など、血液にまつわるものが多い。
ちなみに、現在一般に用いられる茜色(ローズマダー)の絵具は合成の
アリザリンを顕色材としている。英国の一部のメーカーには天然の
アカネの色素から抽出した絵具も存在するが非常に高価である。天然顔料と合成アリザリンとは微妙に色目が違うが、天然か合成かの違いは成分に前記の
プルプリン(パープリン)を含むか否かが決め手である。また、天然のアカネによるローズマダー絵具は独特の芳香がする。